自宅で最期を迎えるという選択
🌿病院での最後
現代の私たちは生まれるときも病院、そして亡くなるときも病院…
ほとんどの方がそんな時代を生きています。
病院での看取りは安心感があります。
けれど、心の奥で「本当は家に帰りたい」「大切な人を自宅で見送りたい」と願う人も少なくありません。
病院では最後の最後まで医療者が傍にいます。それは安心である一方、
点滴やモニターに囲まれたベッドの上で、気付いたら最期を迎えていたという場面も少なくありません。
家族が駆けつけてももう心臓は止まっている、声もかけられない。
そのような場面をたくさん見てきました。
🌿本当は自宅で最期を迎えたいと多くの人が望んでいる
65歳以上の方に「最期をどこで迎えたいか」尋ねたところ
◆自宅 45.8%
◆病院、施設 36.3%
と、半数近くが「自宅」を希望していました。(令和5年度 高齢社会対策総合調査)
また、日本財団の調査でも、「死期が迫っていると分かったとき、人生の最期を迎えたい場所は」の質問で、約6割(58.8%)が自宅を望むという結果が出ています。(日本財団2020年実施)
つまり、多くの人が住み慣れた我が家で最期を迎えたいと考えているのです。
しかし実際は・・・
厚生労働省の統計によると、実際に自宅で亡くなる人は17%にとどまり、約66%が病院で亡くなっています、
このように、希望と現実には大きなギャップがあることが分かります。
その背景には・・・
♦家族に迷惑を掛けたくない
♦医療が近くにあったほうが安心
♦在宅ケアの仕組みを知らない
といった気持ちが隠れています。
🌿現代社会の課題 ― 家族がそばにいない現実
さらに現代社会は、核家族化や単身世帯の増加が進み、家族が日常的に介護や見守りを行うことが難しくなっている現状もあります。
♦高齢者が一人暮らし、子世帯が遠方に住む
♦介護負担の偏りで、在宅での看取りは精神的・身体的に大変
♦夜間や急変時に対応できる体制が地域によって異なる
そのため、「病院にいれば安心」という気持ちも自然で、多くの家族が最期を病院で迎えざるを得ない背景になっていると思います。
🌿家族の最期はどこが安心ですか?
本人が望む最期の場所と、家族が望む、安心できる場所は必ずしも一致しないという現状があります。
「家族の最期は自宅と病院どちらが安心か?」では
♦親の終末期は病院や施設で 48%
♦自宅でできるだけ一緒に過ごしたい 27%
という結果が出ています。(朝日新聞 「Reライフプロジェクト」2024年)
🌿自宅で最期を迎える意味
💗長年暮らした自宅や部屋で日常に包まれながら過ごせる安心感
💗家族の声や日常の音や匂いを感じらる
💗病院と違い、近しい人誰にでも会うことができる
在宅看取りの多くは、医療保険や介護保険を使った仕組みで十分に支えることができます。
ただし、“もっと手厚くケアしてほしい”“回数を増やしたい”といったご希望があるときには、保険外の訪問看護を併用できる選択肢もあります。
必要な方に、必要なかたちでサポートを組み合わせられる時代になってきました。
ぜひ困っていることがありましたら、ご相談ください。